女帝 小池百合子を読んで

文藝春秋
石井妙子
評価★★★★★
所用日数5日

 

小池百合子という人物の半生を、
緻密なリサーチを基にリアルに描いた
ノンフィクション。

 

先日の都知事選のタイミングで
発売された本だ が、
単なる話題集めの暴露本とは
一線を画す良書と感じた。

 

著者は、「書くことの罪」よりも
「書かぬことの罪」を重く考えたという。

 

時の権力者に牙を剥く恐怖は、
計り知れないが、このまま彼女を
都知事にさせておいて、
よいのかという正義感が勝ったのではないか。

 

小池百合子サイコパスっぷりが、
恐ろしさを超えて、痛快だった。

 

人間誰でも、人によって態度を変えたり、
表の顔と裏の顔を使い分けるなどの2面性が
あると思うが、彼女のそれは、
仮に本当であれば、あまりに露骨で、
人間性を疑わざるを得ない。

 

完全なピカレスクヒロインとして、
描かれてはいるものの、個人的には、
どんなに逆境や挫折の経験があっても、
それを乗り越えて上を目指すという向上心は、
学ぶべきところもあると感じた。

 

https://www.amazon.co.jp/女帝-小池百合子-石井-妙子/dp/4163912304/ref=nodl_