実行力 橋下徹を読んで

評価★★★
所用日数2日

組織の上に立つものとして、
メンバーをまとめる方法、
人の動かし方、意思決定の方法について、
非常に個別具体的に説明されており、
橋下氏が知事としてどのように
組織を統率してきたかが理解でき、
自分に当てはめたらどうなるかなとも
想像できて、参考になった。

特に印象に残ったのは、
「現場で判断できずに、
最終的に上まで上げられてきた案件は、
どちらに転んでもおかしくなく、
割り箸で決める」や、
「裁判などと同様、メリット、デメリットが
拮抗している案件については、
双方の意見を聞いた上で、
実際は最後は、心証が重要になる」、
「新聞記事などは、
自分ならどう思うか持論を
考えながら読む」など。

ただし、後半は、大阪都構想の話に
終始しており、少し単調な印象を受けた。
しかし、大阪府大阪市の関係性は、
初めて知ることができ、
なぜ二重行政が問題となっているかを
理解することができた。
また、政策の実現のためには、
実行プランが重要であることが、
具体的な例を示して書かれており、
説得力を持って伝わってきた。

女帝 小池百合子を読んで

文藝春秋
石井妙子
評価★★★★★
所用日数5日

 

小池百合子という人物の半生を、
緻密なリサーチを基にリアルに描いた
ノンフィクション。

 

先日の都知事選のタイミングで
発売された本だ が、
単なる話題集めの暴露本とは
一線を画す良書と感じた。

 

著者は、「書くことの罪」よりも
「書かぬことの罪」を重く考えたという。

 

時の権力者に牙を剥く恐怖は、
計り知れないが、このまま彼女を
都知事にさせておいて、
よいのかという正義感が勝ったのではないか。

 

小池百合子サイコパスっぷりが、
恐ろしさを超えて、痛快だった。

 

人間誰でも、人によって態度を変えたり、
表の顔と裏の顔を使い分けるなどの2面性が
あると思うが、彼女のそれは、
仮に本当であれば、あまりに露骨で、
人間性を疑わざるを得ない。

 

完全なピカレスクヒロインとして、
描かれてはいるものの、個人的には、
どんなに逆境や挫折の経験があっても、
それを乗り越えて上を目指すという向上心は、
学ぶべきところもあると感じた。

 

https://www.amazon.co.jp/女帝-小池百合子-石井-妙子/dp/4163912304/ref=nodl_

 

 

デスゾーン 栗城史多のエベレスト劇場を読んで

評価:★★★★

栗城さんのことは、
そのキャラクターと
登頂動画のリアルさに惹かれて、
一時期熱心にに追いかけていたが、
凍傷で指を失ったあたりから、
痛々しさを感じ、
次第に見なくなっていた。

エベレストでの死亡のニュースを
聞いた時は、動揺したが、
大好きな登山をしているときに
死ねるなんて、ある意味幸せなのかな
とも感じていた。

しかし、今回この本を読んで、
栗城さんという人物と
エベレスト登山の
隠されていた闇が
リアルに描かれており、
正直少し気分が悪くなった。

しかし、誰しも
接する人や状況によって
態度や人格を変えたりすることって
あるよなと、
自分にも当てはめながら考えた。

全てを含めて、
その人の人格だし
人生なんだと考えた。

それにしても、
栗城さんは、
大きな闇を抱えて
生きていたんだな、
1番しっくり来る言葉は、
「孤独」だ。

彼の死が、事故なのか
自殺なのか、
誰にも分からないが、
この本を読んで、
最後の状況が
リアルに想像できた。

栗城さん、辛かったんだね。

この本を読んで
自分に正直に
生きることの
大切さを教えてもらった。

 

https://www.amazon.co.jp/デス・ゾーン-栗城史多のエベレスト劇場-河野-啓/dp/4087816958/ref=nodl_